民間療法にも生かせる薬膳の知識

民間療法とは?

民間療法にも生かせる薬膳の知識

民間療法とは、長い期間にわたり広く民間で伝承されている治療法のことです。よく”おばあちゃんの知恵”という言葉が民間療法の別名として使われていますが、昔から言い伝えられている経験に基づいたアドバイスであるという考えが含まれています。

 

つまり、医師の資格をもたない一般人が、伝統的な知識や経験で治療を行うことを民間療法と言います。最近行われた研究報告によると、民間療法の効果を信じて受け入れる方は、回復が早いということが分かっています。

 

しかし、その治療の多くは科学的に検証されていないものがほとんどです。そのため効果が無い場合もあります。また民間療法では、薬膳の知識も取り入れられています。

 

薬を使用しない治療法

西洋医学では薬を飲んで病気を治すことが基本です。しかし薬には副作用がつきものです。民間療法と薬膳では薬を使用しない!という共通の考え方があります。

 

たとえば風邪をひいて咳を止めたい時、薬膳では体内の毒素や水分を排出し、痰をスッキリさせる作用がある大根を食材とした薬膳料理を作ります。民間療法でも薬膳同様、大根を咳止めとして使用しています。

 

大根をいちょう切りにカットし、その上にはちみつをかけ、しばらく放置すると大根から汁が出てくるのでそれを飲むという療法です。このように薬膳の知識は民間療法でもとりいれられているのです。では他の療法を見てみましょう。

 

薬膳の知識を生かした民間療法

薬膳では頭痛が生じた場合、外感頭痛と内傷頭痛の症状別で効果的な食材が異なります。内傷頭痛は冷え性の方や更年期、血圧が高い方などがかかりやすい傾向があります。

 

そのような場合薬膳では、身体を温める食材が効果的であると言われています。民間療法でもこの考え方を参考に唐辛子に含まれているカプサイシンをこめかみに塗ることで頭痛を和らげています。

 

またメディカルハーブの知識も民間療法では取り入れており、ラベンダーやペパーミントを頭痛の際に使用しています。このように薬を使用せずに症状にあった食材を使用することで両者は考え方が似ていると言えるでしょう。

 

まとめ

民間療法は伝統的な知識や経験に基づく治療方法です。薬膳も何千年も前からある療法のひとつで、両者とも薬を使用しないで悪いところを治していくことが基本的な考え方となっています。

 

実際、薬膳で症状別に使用する食材が民間療法でも使用されています。

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