中医学を参考にしよう
中医学の”整体観(せいたいかん)”と薬膳の関係
中医学(ちゅういがく)、つまり中国伝統医学はおよそ4,000年も前に発祥し、中医薬学の理論と臨床経験に基づく長い歴史をもっています。中医学には整体観、弁証論治、未病先防という3つの特徴があり薬膳にも関係があります。
まず、一つ目の整体観からみてみましょう。人体は外部の環境や気候、ストレスなど自然界からさまざまな影響を受けています。
そのため、人体は自然とバランスを取りながら影響し合っているバランス医学と言えます。薬膳でも身体の体調に合った四季の食材を摂りいれることでバランス医学を参考にしています。
中医学の”弁証論治(べんしょうろんち)”と薬膳の関係
中医学の弁証論治とは、患者さん一人ひとりの体質や体調、病気の原因などを分析して証(しょう)を決定します。そして、それにあった適切な治療法を選び、治療を進めていくオーダーメイド医学です。
薬膳はこの弁証論治を参考に、料理に使用する食材の味、性、作用部位、効能などを料理を食べる人の体質や体調に合わせて作ります。また証(しょう)に適した食材を選択することで病気を予防し、健康を増進させることができます。
つまり、薬膳料理とは、薬膳を食べる人の体質やその日の体調に合った食材を選んで料理をするオーダーメイド料理と言うことができます。
中医学の”未病先防(みびょうせんぼう)”と薬膳の関係
中医学の未病先防とは、養生法により、病気が発症する前に個々の体質を見ながら対応することにより、病気を未然に防ぐという考え方をしています。
つまり、病気にかかりにくい体質を作り上げていくことを目的としています。薬膳でもこの中医学の考え方を参考にし、病気になってから悪い部分だけをみて治療するのではなく、”未病”のうちから体内で健康増進を図ることを目的としています。
すなわち、普段の食生活で健康によい料理を食することで未病を予防することが可能となります。そのため、症状に効果的な食材を積極的に摂りいれるようにしていくと良いでしょう。
まとめ
中医学は整体観、弁証論治、未病先防という3つの特徴がある中国の伝統医学です。
薬膳はこの中医学を参考にしています。整体観という観点では、四季の食材を摂りいれることで人体とバランスをたもつこと、弁証論治という観点では薬膳料理を食べる人の体質や体調にあったオーダーメイド料理、そして未病先防という観点では大きな病気にかかることを予防するために病気にかかりにくい体質、また健康を増進させることが薬膳の考え方・目的となっています。
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